Re: 透析針の自己抜去について ( No.1 ) |
- 日時: 2017/06/08 15:01:56
- 名前: 旭川 脇田
- 透析室での抜針事故は永遠のテーマですよね。
どこの施設でも起こっていることだと思います。透析医療の重篤な事故の原因は「抜け・外れ」が 最も多い要因でいくら注意していても起こる時には起こります。
マンツーマンで監視でもしない限りは100%防ぐことはできないと思っています。
発見が遅れれば命に関わる事態になりますから細心の注意が必要です。
当院では病院全体で転倒・転落と摂食に関するスコアがあります。 少ないスタッフでいかに効率的に看護をするかということと、スキルの均一化を図ることを目論んだ手法で しょうが、このスコアもなかなかクセモノで、スコア上は要注意にならなくても転倒・転落事故は起こるし、 誤嚥・窒息事故も起こります。そのたびにスコアの精度を高めるように改善していますが、生身の人間の 行動の評価を数字で割り切って管理できるかというと私は疑問を持っています。
当院では抜針事故を防ぐためのテーピングや回路の取り回し、抑制についてのルールはありますが、透析の 抜針事故に対するスコアはありません。
見方を変えるとスコア評価で要注意と評価されなければ、注意して見なくなるので見逃してしまうという 「落とし穴」ができてしまうというリスクもあります。非生理的で危険な体外循環をしている透析はいつ 誰がどのタイミングで予想も付かないアクシデントが起こるかわからないわけですから。
極端なことを言えば、透析中に自殺企図で毛布の下で返血針をそっと抜くような症例もないとは言えません。 この場合は認知症があるとか不隠がある、眠剤を服用している、降圧薬を使用しているなどのスコアの概念 では引っかからないでしょうね。基本原則として病院は安全に透析医療を提供する義務が大前提としてあるわけ ですから何が起こっても直ちに対処できる態勢を組んでいるのが当然だという観点で過失を追求されます。
院内で起こった患者自身の転倒転落も病院内で起こったことはすべて病院の責任になります。 自己抜針事故が起こり「これ患者が自分でやったんだからしょうがないね」という問題処理には絶対に なりません。
結論は、今いるスタッフのマンパワーを駆使して抜針事故はすべての患者において起こるものだと想定し、 自分が担当している患者を気を抜かず必死に監視する以外に方法は無いと思います。
事故になった場合は担当していたスタッフが当事者として刑事・民事の過失を問われることになることは 間違いありませんのでその覚悟で仕事をしなければならないわけです。
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Re: 透析針の自己抜去について ( No.2 ) |
- 日時: 2017/06/09 13:12:59
- 名前: 秦野の竹内
- 返信ありがとうございます。
透析の抜針や回路はずれは100%の監視でなければ防ぐのはなかなか難しいですよね。 当院も固定方法等のルールは決めたもののその他の物もなく (看護部は転倒転落スコアがやはりあります) 今日まできているのが現状です。
技士長が言っている通り基準の裏には基準外は平気と言う変な思いが出てきてしまうのが難点だと私も考えます。
今回の経緯については事故当日私が調度本社の医療安全研修に出ておりまして透析の自己抜去についてこの事例で職員の過失はどの様に問われ又防ぐ方法は無いかを尋ねました。 弁護士さんの意見では自己抜去を予見できたか出来なかったかで当事者(スタッフ)の過失が変わってくるそうです。 今回のスコア作成に関しては予見の基準の一つとして使用して行こうと考えております。
1番は各スタッフが事故はいつでも起こり得ると思いながら業務を遂行していくが大切ですね。
アドバイスありがとうございました。
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